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Study. 04
隅田川の水辺に賑わいを。
人が集まるホテル&ギャラリー 
LYURO 東京清澄 -THE SHARE HOTELS-

ビフォーアフター研究ビフォーアフター研究

劇的なコンバージョンを果たした施設や街を現地インタビュー取材・研究レポート。

研究発表

Study. 04
隅田川の水辺に賑わいを。人が集まるホテル&ギャラリー LYURO 東京清澄 -THE SHARE HOTELS-

Before After

第4回は、東京・清澄白河に2017年にオープンしたシェアホテル「LYURO 東京清澄(リュウロ トウキョウキヨスミ)」をご紹介します。
半蔵門線 水天宮前駅・清澄白河駅から徒歩10分。隅田川に面する最高のロケーションにあることが特徴的で、元オフィスビルからリノベーションされたシェアホテルには、旅行者だけではなくたくさんの近隣住民も訪れます。
 
ここには、人が集まる工夫がたくさんありました。


研究発表 Index
1. 「LYURO 東京清澄」とは?
2. インタビュー
3. 建物内のようす
4. 研究結果まとめ

今回の記事は、こんな人にオススメです。
・宿泊施設のリノベーションが気になる!
・水辺のにぎわいづくりについて知りたい!!
・人が集まる場所ってどんな場所か気になる!

1. 「LYURO 東京清澄」とは?

「LYURO 東京清澄(以下、LYURO)」は、1988年に建てられたオフィスビルをリノベーションし、2017年にシェアホテルとして生まれ変わりました。

最寄り駅の清澄白河駅からは、徒歩10分の場所にあります。

近隣には川が流れ、道路も広く、まち全体に空間のゆとりがある住宅街が広がっています。

近くには「ブルーボトルコーヒー」や大きな公園(清澄庭園)があります。たくさんの人の憩いの場所となっています。
そんなまちを隅田川の方面に進んでいくと、川に面した場所に東京スカイツリーを背景に建っているのが「LYURO」です。

「LYURO」のコンセプトは、
川の流れのように、旅する。
ここは、あなたと世界がつながる「流路」。
隅田川に臨むかわてらすとリバービューの空間、街に開かれたシェアスペースで
世界の文化と下町文化が混ざり合い変化する。
「LYURO 東京清澄」
あなたの旅が、ここからはじまる、ここで交わる。

LYUROの横に見える東京スカイツリー

最近は、オリンピックを控えた東京都の変化、デザイン面、リノベーション、アパレルの撮影場所など様々な観点で取り上げられ様々なメディアで紹介されているそう。
 
以下、詳しくご紹介していきます!


【施設概要】
施設名称 LYURO 東京清澄 -THE SHARE HOTELS-
開業日(竣工) 2017年3月30日
駐車場・駐輪場 なし(付近にコインパーキングあり)
URL 
・WEBサイト https://www.thesharehotels.com/lyuro/
・Instagram https://www.instagram.com/lyuro.thesharehotels/
・Facebookページ https://www.facebook.com/lyurothesharehotels/
所在地 〒135-0024 東京都江東区清澄1-1-7
TEL  03 6458 5540 
アクセス
・半蔵門線「水天宮前」駅4番出口より徒歩10分
・半蔵門線・大江戸線「清澄白河」駅A3出口より徒歩10分
総部屋数 ・個室タイプ:4種23室(定員1~4名)
・ドミトリータイプ:30ベッド
Check-in :From 15:00 / Check-out :Until 10:00
館内設備 レストラン、自動販売機、コインランドリー(有料)
部屋設備 インターネット接続(無線LAN形式)
食事場所 [朝食] レストラン [夕食] レストラン
併設施設 
*「SHARE SHELF KIOSK」営業時間:7:00-24:00 無休
*バーベキューレストラン「PITMANS」
・ブレックファスト 営業時間:7:00-10:00 (Lo 9:30)
・ランチ 営業時間:11:30-15:00 (Lo 14:30)
・カフェ 営業時間:15:00-16:00 ※テイクアウトドリンクのみ
・ディナー 営業時間:17:00-22:30 (Lo フード21:30 ドリンク 22:00)
*クラフトビールのブルワリー「清洲橋醸造場」営業時間7:00-22:30 / 不定休

【既存建物基本情報】
築年:1988年11月
構造と規模:鉄骨造地上6階建
リノベーション箇所 全体
従前用途:オフィス
改装工事後用途:宿泊施設・ギャラリー・ショップ
延床面積:1589.90㎡
事業主 株式会社サンプラス
トータルプロデュース 株式会社リビタ
設計パートナー ユニップデザイン株式会社
クリエイティブディレクション 佐藤利樹(Yello.LLC)
施工 株式会社デザインアーク
レストラン・ブルワリー企画経営 株式会社ヒーロー
ブルワリープロデユース アウグスビール株式会社

2. インタビュー

今回は、「株式会社リビタ」の白崎さんにお話を聞かせていただきました。

― まずトータルプロデュースから運営までを行っている「株式会社リビタ」とはどんな会社ですか?

「株式会社リビタ」は、2005年にリノベーション専門の会社として設立しました。
意味は、「リノベーション」+「ハビタ・アビタ」の造語で、住まい・生活をリノベーションするという意味です。「くらし、生活をリノベーションする」をコンセプトに、リノベーションによってそこに住まう方のより豊かな生活の実現をお手伝いできることを目指しています。

― この場所でリノベーションをすることになったきっかけについて教えてください。

2015年に当社にホテル事業部が立ち上がりました。
その時当社はホテルの出店エリアを探していたので、積極的にいろいろな方に魅力的な場所を教えてくださいとお声がけしていました。
もともとこの建物をオフィスとして使っている会社さんがいらっしゃったんですが、出られるということでオーナーさんがその後活用してくれる他の会社はないだろうかと、その情報が当社に来ました。
 
隅田川がすぐという場所だったので、川からの眺めは武器になるであろうということで出店に至ったというところです。

― 2015年まではホテル事業部はなかったんですか?

なかったんです。
ホテル事業部を始めるきっかけは、当社で横浜で運営しているシェアスペース「BUKATSUDO」という施設があるのご存知ですか?BUKATSUDOができてから、そこにおもしろい人がどんどん集まってきたんです。
そして、新たなコミュニティが生まれて彼らがBUKATSUDOという施設の外でも活動し始めることによって、コミュニティ施設がまちに対していい影響を与えることができるんだということが我々リビタとしてもすごく実感として持てるようになったんです。
 
今、日本全国でそういったコミュニティのあり方や新しいものを模索してる中で、都市部だけではなくそれ以外のエリアであってもこういったような機能が求められているのではないかと考えたわけです。
 
ただ、正直BUKATSUDOが成り立っているのは、横浜という都心部だからなんだろうなと思うんです。というのは人が多いことと、収入源としてイベントスペース貸しが多いこと。うまくいったとはいえ、シェアスペースを使いたい人ってまだまだ少数派だと思うんですね。
なので同じモデルでそのまま他の地方都市に展開しても、たぶん単体では成り立たないだろうと。
そこで何か別の機能を併設していこうということになりました。
特に「ローカル」と言うテーマに世界的にも注目されていますから、「旅行」と抱き合わせにすることによって地方でもこういったコミュニティ施設を運営することができるんじゃないだろうかと考えて、ホテル事業部をつくったんです。
なのでもともとはホテル事業部という名前ではなく、地方活性化ホテル準備室という名前だったんです。原点としてはホテルをやるためにホテル事業部をつくったというよりも地域を盛り上げていくために始めた事業だったんです。
 
ですので、我々が出店していく時のエリアの選び方も、おもしろい活動をしている人が多そうなエリアというのが結構重要なんですね。1号店のHATCHi 金沢なんかは、当社の担当していたスタッフが金沢出身だったっていうこともあり、もう既にその地域に面白い人達との人脈がある程度あったと。それなので1号店が金沢っていうスタートだったんですね。

▷THE SHARE HOTELS計画の背景
地域の中心市街地にある遊休不動産を、リビタのリノベーションノウハウと様々なコミュニティづくりの経験を活かして、地方の方と旅行者が繋がる場と宿泊機能を併せ持つリノベーションホテル。
地域に根差した体験・コンテンツ・人との関わりを提供し、地域内外の繋がりが構築され、地域の魅力が持続的に拡散していく場所を創ることを目的としています。
アイデアや知識、ライフスタイルや価値観などをシェアする場を提供することで、価値を生み出す化学反応が起こると考えています。
地域における活動の起点・架け橋となり、地域の価値が向上するための種まきと活動の原動力となることをミッションとしています。

― なぜ業態を宿泊施設にされたのでしょうか?

シェアホテルズって言うぐらいなので、シェアスペースを持っているホテルなんですが、つまりそのシェアスペースで地域でおもしろい活動をしている人に、物販やトークイベントというようなまちに開かれた場として使っていただきたい、その結果まちが盛り上がる。そういう狙いですよね。

― ホテルっていうと外から来た人が泊まるようなイメージがあるんですけど、地域の人もそこに集まってコミュニティをつくっていく場所になっているということなんですね。

そうですね。特に海外の方なんかはガイドブックとかも参考にするんですけど、それだけじゃなくてローカルな情報にふれあいたいっていう方が随分増えていると考えています。
そういった地域の人たちが活動しているっていうのが、まさにガイドブックには載っていないローカルな活動にふれるっていうことになるだろうという考えでこのような場をつくっています。

▷THE SHARE HOTELSの展開
2016年3月 石川県・金沢に第1号店「HATCHi金沢」
2017年4月 東京都・清澄白河に第2号店「LYURO 東京清澄」
2017年5月 北海道・函館に第3号店「HakoBA函館」
2017年8月 石川県・金沢に第4号店「KUMU 金沢」
2018年5月 京都府・京都市に第5号店「RAKURO 京都」
2019年5月 京都府・京都市に第6号店「TSUGU 京都三条」
2019年秋 広島県・広島市に第7号店
2020年春 東京都・墨田区に第8号店
20年度までに10店舗のシェアホテルズシリーズの完成を目指している。

石川県・金沢)第1号店「HATCHi 金沢」

北海道・函館)第3号店「HakoBA 函館」

― 施工主体、運営主体は?

施工に関しては物件ごとによってゼネコンさんは変わっています。地域のゼネコンさんというケースもありますし、そうではないこともあります。運営はすべてリビタで行っており、従業員も全員当社でホテルのスタッフとして採用しています。

― 改めて、コンセプト・名称の由来を教えてください。

「LYURO」の一番の特徴は川ということで、『川の流れのように、旅する。』です。
世界からのツーリストの文化と、清澄白河の下町文化が混ざり合う場にしたいということです。
LYUROは漢字で書くと「流路」で、土木業界で使う言葉なんですね。ダムだとか川のせきとかを設計する時に使うらしいんですけど「流路を考える」とかそのように使う言葉なんです。
だから人が(この場合は水ですが)水がどういう風に一番効率よく流れていき、交わっていくかを表す言葉なんですね。ここで我々が言う世界の文化と下町の文化が混ざり合うっていうのもこの「流路」という言葉と近しいということでこの名前にしています。

― 全国にも何ヶ所かあって同じ名前でやっていく場合もあると思うんですけど、それぞれ違う名前をつけてらっしゃることが印象的だったんですが、それぞれの思いが込められてるんですね。

そうなんです。THE SHARE HOTELSというのは共通しているんですが、それぞれに意味や思いを込めた名称もつけています。

― 使われ方としては、宿泊施設の面とレストランとか地域の方が集まってっていうところになると思うんですけど、その他に何かありますか?

1階のフロントの奥にギャラリーがあります。
「水」に関するテーマのアート作品を展示していただく場にしています。最初のうちは近くに拠点を持たれているアーティストさんを中心にやっていたんですが、その後参加してくださったアーティストさんがまた口コミでいろんな人を紹介してくださって、今では随分先まで予定が埋まっているほどです。

宿泊者の方はもちろんご覧いただくんですが、近所にお住まいの方もちょうど道路面のところがガラス張りになってるので「あ、なんかまた企画変わったな」みたいな感じでまた立ち寄っていただけています。

ツーリストと地域の方が接するきっかけの1つにはなっているのかなと。
 
あとはフロントの手前に我々が「シェアキオスク」と呼んでいるスペースがあります。
ものづくりをされている方がこのエリアに多く、地域のものづくりの方を知っていただくためのコーナーとしてやっています。定期的に並べる商品も変わっていって、飽きが来ないように鮮度を保っています。

あとはなんといってもここのテラスですね。
ここが一番メインになりますが、いろいろなイベントをやっています。
 
例えば気持ちのいい季節の朝にヨガの先生を呼んで宿泊者の方が朝ヨガをやったり、土日には地域の個性的なお店の方に集まっていただいてクラフトマーケットをやったり。かなり人気コンテンツになっていまして、年々規模も大きくなっています。
イベントをやってなくても結構近所の方が散歩道に通ってくれるんですよ。

― テラスに一般人が普通に入ってもOKというのがいいですね!

そうなんですよ。
実はそこが一番僕らがやらなきゃいけないところでして、東京都が水辺の賑わいを活性化していこうっていうことを考えていたんですね、当時。京都だと川床で水辺を楽しむカルチャーがありますが、東京ってあんまりそういったところがないので水辺の賑わいを民間事業者と一緒に何かできないかっていうことで実証実験をやったんです。行政が事業者を募集されて、我々も採択していただいたわけなんです。

▷隅田川に面した都内最大規模の幅44m、パブリック空間として都内唯一の「かわてらす」
東京都が実施する水辺のさらなる魅力向上と地域の活性化を目的とした、河川敷地を活用して飲食店などの営業を行う社会実験。隅田川及び日本橋川の一部区間を対象としてH25年度から出店事業者を募集。(隅田川についてはH27年度末で募集を終了)”かわてらす”とは、夏の京都などでよく見られる「川床」の東京版の呼称。

東京都が堤防を管理するための河川管理用道路は、東京都の土地なので部外者は立ち入ることができないわけなんですよ。なので、民間は入れないから水辺に接するってことがなかなか物理的に難しかったんですね。

デッキの下が河川管理用道路

それをなんとかしようということで民間事業者に対して「河川管理用道路を貸します」というのがこの事業です。我々はこのリバービューをホテルの魅力として活かしたかったので、鉄骨でウッドデッキを支えるような構造のものをつくるから貸してほしいと提案しました。
東京都としては、水辺の賑わいを創出したいので借りている我々は地域の方たちがここに入りやすくし、いろいろ活動ができるようにしています。お互いの目指すところが一致したので実現できたというような流れがありました。

― 今でもこの事業は継続されてるんですか?

そうです。最初は2年間の期間だったんですが、うまくいっているということでさらに延長している状態ですね。

― どのようにつくっていったか過程を教えてください。

なんといってもこの隅田川がコンセプトとしてあったので、2階のフロアをいかに魅力的につくるかっていうことが一番のテーマでした。あとは少し駅から離れているところですのでビジネス利用は多くはないだろう、と考えました。
ということで観光の人が中心になっていくのかなということと、あとは観光だけではなく東京にお住まいの人でも少し普段と違った過ごし方が、この川があることによってできるんじゃないだろうかということで、女子会などの利用や、、一人旅のツーリストの方をメインターゲットとしました。
 
あとはこの国もそうなんですがみなさん「クラフト」に興味を持たれています。
プロダクトもそうですしまさにビールなんかも。なので、クラフトビールを提供できるテナントさんとかが入れるといいなっていうことはイメージとしてあり、結果的に2階にPITMANSさんと清洲橋醸造場さんにご出店いただくことになった、という経緯です。

平日の午後でも賑わう店内。

― リノベーションをしてよかったことはなんでしょうか?

もともと特徴があまりないオフィスビルでしたので、それに比べると随分変わりました。
リノベーションをして良かったことは、地域の方が昔からこの建物のことを知っていただいているので何かしらの愛着みたいなものって持っていただけていると思うんですよ。なので我々が「今回こういうコンセプトでこんなホテルつくりました」と周りの方に話をすると、「あーあそこの建物ね」ってすぐにわかってもらえるのはありがたいです。
それによって、親近感みたいなものを感じていただけてるなとは思っていました。
なので、まちのコミュニティに対してすっと入り込みやすかったというのは思います。「えーあそこの建物がどうなるの?」と、ポジティブに変化を捉えてくれるような方が多かったですね。それはLYUROだけじゃなくて他の拠点においても同じですね。

― 事前に近所の方には「こんなホテルができるんです」と周知されていてたのでしょうか?

そうですね。工事が始まる前から近隣さんの方に対してはご挨拶をしていました。
そういったような時に僕らのコンセプトにはまちの魅力を伝えていくということがあるので、今後もよろしくお願いしますっていうご挨拶を行いました。

― リノベーションをして特に苦労したことはなんだったでしょうか?

どこの物件であってもやっぱり解体してみてビックリっていうことはあるんですが、ここでは幸いなことにそれほど多くはありませんでした。
でもやっぱりそんな大きなビックリはなかったとしても当時の図面と現場とで多少違うみたいなことはどうしてもリノベーションはあるものですから、工程管理がすごい難しいんですよね。
対応はすることはできるんだけれども決められたスケジュールの中でそれを対応していくっていうのは難しくて、かなりスピーディーに物事を決めていかないといけない。
これはLYUROだけじゃないんですけどここでも悩まされたところですね。新築の時は決めながら図面をつくっていきますが、リノベーションの場合はほんとに期間が短いのでどんどんどんどん決めていかないといけない、あと変更ができない。そこは難しいところですよね。

― 予想外にお金がかかったことはありましたか?

でもそこを何とか予算通りに収める!というところが当社のノウハウと言いますか、我々がオーナーさんに対してそこを守るっていうのが我々の仕事です。
 
予想外にかかりそうなところもありましたが、それを何とかしたというところですかね(笑)
だから最初からお金をかけるところとかけないところのメリハリはしっかりつけていますね。
 
例えば今回のLYUROであれば、ドミトリーフロアと、個室はお客様が何を得たいかが全然違うんです。
バックパッカーの方はやっぱりリーズナブルが一番というところがあるので、そういった方たちに対してそこの空間に過剰投資にならない様にしなくてはならない。
逆にちょっと非日常の過ごし方をしたいなっていう方に対しては、しっかりと魅力的な空間をつくってあげないとそれはニーズに応えられないわけなので、ドミトリーフロアと個室のフロアのところでは全然メリハリのかけ方が違うわけなんですよ。
 
例えば廊下の床材なんかも個室フロアのところに対してはふかふかな上質なカーペットを使ってるんだけれども、ドミトリーフロアのところはもうモルタルのままであるとか、天井も仕上げていませんとか。そういうようなメリハリのつけ方ですね。
工事中も予期せぬ費用が必要な場合は「じゃあもうちょっとここのところは削いでもいいか」と、バランスをとっていきます。基本性能や最低限我々が提供している価値は落とさないように、そのバランスをうまいこととっていくっていうところですね。これはものすごく難しいわけですよ。

― 施工にはどのような方が関わっていらっしゃったのでしょうか?

今回であれば当社側のプロジェクトマネージャーとクリエイティブ・ディレクションをYelloの佐藤利樹さん。空間のデザインからロゴデザイン、壁紙のグラフィックデザインといった細かいところまでやっていただきました。ちなみに、毎回施設によってディレクターは代わります。
そしてゼネコンさんです。他にも家具を一緒につくってくださる会社さん、設計事務所さんなど、たくさんの方が関わっているんですよ。コンテンツを提供してくれる方も入れていくと大勢の方にご協力頂きました。

▷ディレクター 佐藤利樹さん www.yello.co.jp
東京生まれ、日本大学経済学部卒。合同会社Yello CEO。ライフスタイルエディトリアルショップ「CIBONE」のビジュアル・イベント企画を担当。独立後、レストランの内装やアパレルブランドのエキシビジョン空間演出を手がける一方、プロダクトデザインをスタート。
空間デザインからロゴデザインをはじめとするグラフィックデザインをディレクション。
これまでのリノベーションの無機質なイメージとは一線を画す、ブルーに統一された空間が印象的なデザイン。80年代のオフィスビルであった建物を、建築時のポストモダンな空気を取り入れつつ、世界中のトレンドをミックスしたスタイルで「現在の東京」を表現した。

― 集客方法はどのようにされていますか?

まず宿泊客の方は大きく自社サイトと、じゃらん・楽天・ブッキングドットコムなどの「OTA(オンライントラベルエージェント)」、その2つがメインです。
 
イベントの集客でいうと、自社サイト、Facebook、Instagramなど、そういったWEBやSNSを使って情報発信をしていますが、イベントをしていただく出店者の方にも拡散協力をしていただいてるので、我々だけじゃなくてパートナーさんと一緒に集客をやっているという形ですね。

― 部屋の埋まり具合(利用率)・推移はいかがでしょうか?

具体的な数字は非公開ですが、少なくとも計画値を超えるような数字で順調に来ています。今ここも3年目になっていますが毎年、前年の数字を上回ってきているので今のところ好調に推移しているのかなと思っています。

― 外部評価はどうでしょう?

地元の方からは、まちに参加しているスタンスに対してはポジティブに捉えていただいているのではと思います。
開業前から足を運んでいたことをある程度評価していただけたおかげで、いまも物販やギャラリーに気持ちよく協力をいただいています。また、テラスにワンちゃん連れて散歩していただけてるということは、気持ちのいい空間だって思っていただいている証拠なのかと思うので、それを我々は外部評価として捉えています。

― 今後の課題はありますか?

テラスではもっと様々な使い方ができるんだろうと思っていて、まだ100%フルに発揮できてないと思っています。そのためには僕らもどんどんおもしろい企画を考えないといけないですし、支えていただいているパートナーさんとの信頼関係ももっと構築していかないといけないんだろうなと思っています。
もっと宿泊者の方も参加しやすいイベントができたらいいなとも思いますし、もっとここをより素敵な場所にしていかないといけないなということは常に考えています。

― 今後の展望を教えてください。

おかげさまでどんどん利用率は上がってはいますが、おそらく都内のホテルは今後もどんどん増えてくると思うんです。
なので、我々は新しいホテルと比べた時に、個性のある差別化できているホテルにしていかないといけないので、ただの宿泊機能だけではなくてまちに開いているホテルとして行動で示して、差別化できるようなホテルを目指していきたいと思っています。
 
以上、株式会社リビタの白崎さんにお話を聞かせていただきました。
貴重なお話をありがとうございました!

3. 建物内のようす

続いて、工事前のBEFOREと現在のAFTERの様子を含めて、施設の中の様子をご紹介します。

[BEFORE]

画像ギャラリー

[AFTER]
客室
客室は、個室タイプが4種23室(定員2~4名)あります。
18室あるリバービューの個室には、川を臨むバスルームが設置され、リラックスした時間を過ごせる。ドミトリータイプは30ベッド。部屋ごとに貸し切りも可能なため、一人旅からグループ旅まで幅広いニーズに対応可能。

画像ギャラリー

KAWATERRACEかわてらす

かわてらす”は、誰もが水辺での時間を楽しめるオープンな多目的スペース。

テーブルやベンチが置かれている開放感のある空間。

川には船が頻繁に通る。
 
館内のデザインは、川・水・流れといったイメージモチーフを、建物の竣工時期である80年代のデザインテイストで表現。波型をモチーフにしたグラフィックやドアプレート、水から繋がるワードをオリジナルでプリントしたクッションなどエントランスからエレベーターホールから客室まで色んなところに散りばめられています。

画像ギャラリー

SHARE SHELF KIOSK

旅の思い出の一品として、スタッフが選んだ各種商品が並ぶ棚。清澄のプレイヤーを中心とする様々な作家さんの作品や、川や水に由来のあるブックの販売を行っている。建物の竣工時に近い時期に活躍していたデザイナー「デイヴィッド・ホックニー」のポスターや「エットレ・ソットサス」のチェアを選定。

オリジナル商品から、イベント・ギャラリーなどの出店者の作品、この地域の名品など季節や時期により各種商品が集まる。

画像ギャラリー

“かわてらす”へとつながる2階部分には、バーベキューレストラン「PITMANS」とクラフトビールのブルワリー「清洲橋醸造場」。

共にクラフト(手造り)にこだわった2つの共演が楽しめる。全54席。

「PITMANS」
「スロースモークバーベキュー」をテーマに長時間手間暇かけて調理したプルドポークやチョップドビーフをはじめ、塊肉や築地直送の旬の野菜はシーズニングやマリネードにこだわり素材の持つ旨みを引き出し、豪快かつ美味しいメニューを提案。

「清洲橋醸造場」
素材、製法ともにこだわり、ビール造りの原点への回帰、本物の味を追求する「アウグスビール」初のブルワリー。アウグスビールの伝統的なビールとここでしか飲めないオリジナルビールをラインナップ。清洲橋醸造場で仕込まれたシーズンビールもあり、出来立ての季節の味を堪能できる。

4. 研究結果まとめ

研究結果まとめ

 
まず印象的だったのは、このLYUROを始め全国で徐々に増えているリビタさんのシェアホテル事業が「BUKATSUDO」というコワーキングスペースのコミュニティの中からはじまった地方を創生する事業からホテル事業部に変化していったという、きっかけとその過程。
 
様々な人が関わり、シェアし、価値を生み出していくという柔軟なリビタさんの社風があったことで生まれた事業だったのではないでしょうか。
 
たくさんの人が関わり、つないでいくことでたくさんの人が訪れ、また広がっていく。
なぜホテルなのに、旅行者だけではなく地域の人もたくさん集まり、いつでもにぎわいが生まれる場所になっているのか、その答えがわかった気がします。
 
リビタさんは、関東を中心に全国でたくさんのシェアハウスやコワーキングスペースなどもたくさん手がけられているのでまた取材していきたいと思います!


【施設概要】
施設名称 LYURO 東京清澄 -THE SHARE HOTELS-
開業日(竣工) 2017年3月30日
駐車場・駐輪場 なし(付近にコインパーキングあり)
URL 
・WEBサイト https://www.thesharehotels.com/lyuro/
・Instagram https://www.instagram.com/lyuro.thesharehotels/
・Facebookページ https://www.facebook.com/lyurothesharehotels/
所在地 〒135-0024 東京都江東区清澄1-1-7
TEL  03 6458 5540 
アクセス
・半蔵門線「水天宮前」駅4番出口より徒歩10分
・半蔵門線・大江戸線「清澄白河」駅A3出口より徒歩10分
総部屋数 ・個室タイプ:4種23室(定員1~4名)
・ドミトリータイプ:30ベッド
Check-in :From 15:00 / Check-out :Until 10:00
館内設備 レストラン、自動販売機、コインランドリー(有料)
部屋設備 インターネット接続(無線LAN形式)
食事場所 [朝食] レストラン [夕食] レストラン
併設施設 
*「SHARE SHELF KIOSK」営業時間:7:00-24:00 無休
*バーベキューレストラン「PITMANS」
・ブレックファスト 営業時間:7:00-10:00 (Lo 9:30)
・ランチ 営業時間:11:30-15:00 (Lo 14:30)
・カフェ 営業時間:15:00-16:00 ※テイクアウトドリンクのみ
・ディナー 営業時間:17:00-22:30 (Lo フード21:30 ドリンク 22:00)
*クラフトビールのブルワリー「清洲橋醸造場」営業時間7:00-22:30 / 不定休

【既存建物基本情報】
築年:1988年11月
構造と規模:鉄骨造地上6階建
リノベーション箇所 全体
従前用途:オフィス
改装工事後用途:宿泊施設・ギャラリー・ショップ
延床面積:1589.90㎡
事業主 株式会社サンプラス
トータルプロデュース 株式会社リビタ
設計パートナー ユニップデザイン株式会社
クリエイティブディレクション 佐藤利樹(Yello.LLC)
施工 株式会社デザインアーク
レストラン・ブルワリー企画経営 株式会社ヒーロー
ブルワリープロデユース アウグスビール株式会社

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